私にとって混沌とは「創造」であり、ノイズとは「芸術」を意味します。
私は4年前より「生命」を主題の根底に据えて制作を続けてきました。制作過程においては、まずエスキースを通じて構想を構築し、描き始める前に一定のイメージを立ち上げます。しかしながら、10年来探究している独自の技法――炎を直接画面にあて、煤を焼き付けることで漆黒を定着させる方法――を用いると、焔の揺らぎが予期せぬ形象を生み出し、当初想定したイメージとは異なる世界へと移行していきます。その後、偶然性に導かれながら多様な道具によって黒を削ぎ落とし、生命の気配を探る過程において、初期のイメージはしばしば消失し、全く異なる形態へと変容したり、あるいは深化を経て再び顕現したりします。私はこの過程において混沌の迷宮に深く沈潜し、時間をかけて探究した末に、新たな形態として浮上するのです。
完成作品を通して、私は次の点に着目しました。
芸術が社会において新たな世界を展開しようとする際、それはしばしば異質なものとして認識され、ときに不協和音として拒絶される傾向にあります。これは近代から現代に至るまで繰り返し観察される現象です。しかし、個性が尊重され、それが新たな価値観を生み出すものとして認識が改められるとき、アーティストによるわずかな発見でさえも、次代を切り拓く意義深い価値を帯びることになります。
ゆえに私は、芸術を「ノイズ」として比喩的に捉えています。
2025年、炎と煤による十年にわたる実践は一つの到達点を迎え、その成果を本展において発表するに至りました。

























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